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源泉徴収税額表の構造

年末調整は「月次源泉徴収の過不足精算」であるため、月次でどのように源泉徴収されているかの知識が前提となる。ここでは源泉徴収税額表の構造と適用ルールを記述する。

出典:


税額表の種類

源泉徴収税額表は以下の3種類がある。

税額表適用場面構造
月額表月ごとに支払う給与給与額×扶養親族等の数のマトリクス
日額表日ごとに支払う給与同上
賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表賞与前月給与額×扶養親族等の数→税率

→ 賞与の源泉徴収については 賞与に対する源泉徴収 を参照


月額表の構造

月額表は 社会保険料等控除後の給与等の金額扶養親族等の数 の2軸で税額を求めるルックアップテーブルである。

適用する欄

月額表には 甲欄乙欄 がある。

適用条件税額の特徴
甲欄扶養控除等(異動)申告書を提出している扶養親族等の数に応じて税額が低減される
乙欄扶養控除等申告書を提出していない扶養親族等の数に関係なく一律に高い税額

→ 甲欄・乙欄の適用判定については 複数給与支払者と乙欄適用 を参照

甲欄の読み方

甲欄は 扶養親族等の数 0人〜7人の列を持つ。

扶養親族等の数の算定:

  • 控除対象配偶者(源泉控除対象配偶者): 1人
  • 控除対象扶養親族: 各1人
  • 障害者(本人を含む): 各1人を加算
  • 寡婦・ひとり親・勤労学生: 各1人を加算

注意: この「扶養親族等の数」は月次の源泉徴収のためのものであり、年末調整で最終的に確定する所得控除額とは異なる。月次ではあくまで概算で源泉徴収し、年末調整で正確な年税額との差額を精算する。

乙欄の読み方

乙欄は扶養親族等の数による区分がなく、給与額に対して一律の税額(甲欄より高額)が定められている。従たる給与の支払者が使用する。


日額表の構造

日額表は日雇労働者や短期雇用者に適用される。月額表と同様に甲欄・乙欄に加え、丙欄 がある。

丙欄

項目内容
適用対象日雇賃金(日々雇い入れられる者に支払う給与)
適用期間継続して2か月を超えない期間
税額の特徴日額9,300円未満は税額0円。甲欄・乙欄に比べて最も低い

丙欄が適用される日雇労務者は年末調整の対象外である。


税額表の適用判定フロー

はいいいえはいいいえ扶養控除等申告書の提出あり?主たる給与→ 甲欄(月額表 or 日額表)年末調整の対象日雇賃金(2か月以内)?丙欄(日額表)年末調整の対象外従たる給与→ 乙欄(月額表 or 日額表)年末調整の対象外
はいいいえはいいいえ扶養控除等申告書の提出あり?主たる給与→ 甲欄(月額表 or 日額表)年末調整の対象日雇賃金(2か月以内)?丙欄(日額表)年末調整の対象外従たる給与→ 乙欄(月額表 or 日額表)年末調整の対象外

月額表と年末調整の関係

月額表は 年間を通じて毎月の給与額と扶養親族等の数が一定 であることを前提に設計されている。しかし実際には:

  • 年の途中で給与額が変動する
  • 扶養親族等の数が異動する
  • 生命保険料控除等は月次では考慮されない

これらの理由から月次の源泉徴収税額の年間合計と正しい年税額は一致せず、年末調整による精算が必要となる。

→ 年末調整が必要な理由の詳細は 年末調整とは を参照


給与の支払方法と税額表の対応

支払方法使用する税額表
月ごと月額表
半月ごと・10日ごと月額表
3か月ごと・半年ごと・年ごと月額表(月割計算)
日ごと日額表
週ごと日額表(日割計算)

月額表の使用が原則であり、日額表は日払い・週払いの場合に限られる。