再年調
年末調整の完了後に異動(扶養親族の増減など)が判明した場合、年末調整をやり直す手続き。 再調整の期限は翌年1月末日(源泉徴収票を交付する期限)まで。
出典: 年末調整のしかた(令和7年分)p46-47
再調整のケース一覧
| # | 事由 | 再調整の内容 | 方向 |
|---|---|---|---|
| ⑴ | 給与の追加払があった場合 | 追加支給額を給与総額に加えて年末調整のやり直し | 不足額 |
| ⑵ | 扶養親族等の数に異動があった場合(子の結婚、本人が障害者に該当等) | 異動後の控除対象扶養親族の数等を基に再計算 | 双方向 |
| ⑶ | 配偶者控除・配偶者特別控除の配偶者や本人の所得見積額に差額が生じた場合 | 控除額の再計算 | 双方向 |
| ⑷ | 特定親族特別控除の特定親族の所得見積額に差額が生じた場合 | 控除額の再計算 | 双方向 |
| ⑸ | 年末調整後に保険料を支払った場合 | 保険料控除の再計算 | 過納額 |
| ⑹ | 住宅借入金等特別控除申告書の遅延提出があった場合 | 税額控除の適用 | 過納額 |
申告書の記載内容に誤りがある場合
年末調整時に従業員から提出された申告書(基礎控除申告書、配偶者控除等申告書等)に記載された給与所得の収入金額等に誤りがある場合、給与の支払者は従業員に記載内容の訂正を依頼 し、適正な控除額で年末調整を行う。
例: 基礎控除申告書に記載された給与所得の収入金額が実際の支給額より少なかった場合 → 本人の合計所得金額が変わり、基礎控除額や配偶者控除額に影響しうるため、訂正が必要。
証明書未提出による追加徴収(⑸の逆パターン)
国民年金保険料、小規模企業共済等掛金、生命保険料(旧生命保険料で1口9,000円超のもの)、介護医療保険料、個人年金保険料、地震保険料、旧長期損害保険料について、翌年1月末日までに証明書類を提出することを条件として年末調整を行った場合で、その証明書類が期日までに提出されないときは、それらの保険料を除いたところで保険料控除額を再計算し、不足額を徴収する。
給与の追加払に関する注意(⑴の補足)
翌年になってから給与の改定が行われ、本年に遡って差額が支給された場合、その差額は改定が行われた年の所得であり、本年分の年末調整をやり直す必要はない。
賞与前払いの見積差額による再調整
本年最後に支払う給与の税額計算を省略する場合(賞与前払い方式)、後で支払う普通給与の見積額を基に年末調整を行うが、実際の支給額が見積額と異なったときは年末調整のやり直しが必要。
見積額と確定額の乖離
申告書には 提出日の現況 による見積額を記載する。年末調整後に見積額と確定額に差が生じた場合の対応:
| 判明時期 | 対応 |
|---|---|
| 源泉徴収票を作成するまでの間 | 年末調整の 再計算 で対応可能 |
| 源泉徴収票作成後 | 従業員が 確定申告 で対応 |
支払者は、支払った給与等の金額と申告書記載の収入金額が乖離する場合、従業員に再確認を依頼する。
具体例
12月31日に子が生まれた場合
- 16歳未満 → 扶養控除の対象外(年少扶養親族は控除額0)
- しかし23歳未満の扶養親族には該当 → 所得金額調整控除は適用可
- 年末調整後、源泉徴収票を作成するまでに異動の申出があれば、年末調整の再計算で還付可能
複数の再調整事由が同時に発生した場合
再調整の事由が複数同時に発生した場合(例: 扶養親族の異動+保険料の追加支払い+給与の追加払い)、すべての変更を反映した上で一括して再計算する。事由ごとに順次再計算するのではなく、最終的な正しい状態に基づいて年税額を算出し直す。
- 年末調整の計算は「年間の給与総額」と「最終的な控除額」から年税額を確定する仕組みであり、途中経過の計算順序は結果に影響しない
- 再調整の結果、過不足が生じた場合は翌年1月末日までに精算する
扶養親族の所得が見積りより多かった場合
- 子のアルバイト収入が見積りを超え、合計所得金額が58万円超になった場合
- 扶養親族に該当しなくなるため、扶養控除 と 所得金額調整控除 の 両方 が失われる
- ただし、他に要件を満たす扶養親族がいる場合は、対象者を変更すれば所得金額調整控除は維持可能