複数給与支払者と乙欄適用
給与所得者が2か所以上から給与を受けている場合の、年末調整上の取扱い。
甲欄と乙欄
源泉徴収税額の計算には、所得税法別表の 甲欄 と 乙欄 が使い分けられる。税額表の構造と適用ルールの詳細は 源泉徴収税額表の構造 を参照。
| 区分 | 条件 | 税額 | 年末調整 |
|---|---|---|---|
| 甲欄 | 扶養控除等(異動)申告書を 提出している 支払者 | 低い(各種控除を考慮) | 対象 |
| 乙欄 | 扶養控除等申告書を 提出していない 支払者 | 高い(一律に高めの税率) | 対象外 |
甲欄適用は1社のみ
扶養控除等(異動)申告書は 主たる給与の支払者1社にのみ 提出できる。したがって:
- 主たる給与(甲欄): 1社のみ。年末調整を行う
- 従たる給与(乙欄): 2社目以降。年末調整を行わない
乙欄適用者の取扱い
乙欄が適用される従業員については:
- 年末調整は 行わない
- 月々の源泉徴収は 乙欄の税額表 に基づいて行う(甲欄より高額)
- 源泉徴収票は「年末調整 未済」として発行する
- 各種控除の申告(保険料控除等)は受け付けない
確定申告義務
2か所以上から給与を受ける者は、以下の場合に 確定申告 が必要(所得税法121条):
| 条件 | 確定申告 |
|---|---|
| 主たる給与以外の給与収入 + 給与以外の所得 > 20万円 | 必要 |
| 給与の収入金額の合計 > 150万円(かつ給与以外の所得 > 20万円) | 必要 |
| 上記に該当しない | 不要(ただし住民税の申告は必要な場合あり) |
確定申告では、甲欄・乙欄すべての給与を合算し、正しい年税額を計算して過不足を精算する。
TASHIKAにおける設計上の意味
- 従業員が 扶養控除等申告書を提出しているか を管理する(甲欄/乙欄の判定に必須)
- 乙欄適用者は年末調整フローから除外し、源泉徴収票(未済)のみ発行する
- 従業員が他社でも給与を受けている旨の情報は、年末調整の処理には直接影響しない(乙欄側の処理は他社が行うため)