平成23年施行
平成22年度税制改正で決定され、平成23年分(2011年)の所得税から適用された改正の概要。 「所得控除から手当へ」の政策方針に基づき、子ども手当の創設・高校の実質無償化とあわせて扶養控除を大幅に縮小。
年少扶養控除の廃止
改正の趣旨
子ども手当の創設に伴い、15歳以下の年少扶養親族に対する扶養控除を廃止。 「所得控除から手当へ」という控除体系の転換の一環。
改正内容
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 年少扶養親族(15歳以下)の扶養控除(所得税) | 38万円 | 廃止(0円) |
| 年少扶養親族(15歳以下)の扶養控除(住民税) | 33万円 | 廃止(0円) |
施行時期
- 所得税: 平成23年分から適用(平成23年1月分の源泉徴収から影響)
- 個人住民税: 平成24年度分から適用(平成24年6月分の徴収から影響)
住民税への影響
年少扶養控除は廃止されたが、16歳未満の扶養親族は 住民税の非課税判定 には引き続き影響する。 このため、年末調整の扶養控除等申告書では16歳未満の扶養親族の記載欄が残された。
特定扶養控除の上乗せ部分の廃止(16〜18歳)
改正の趣旨
高校の実質無償化に伴い、16歳〜18歳の扶養親族に対する特定扶養控除の上乗せ部分を廃止。
改正内容
| 年齢区分 | 改正前 | 改正後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 16歳〜18歳(所得税) | 63万円(特定扶養) | 38万円(一般扶養) | ▲25万円 |
| 16歳〜18歳(住民税) | 45万円(特定扶養) | 33万円(一般扶養) | ▲12万円 |
| 19歳〜22歳(所得税) | 63万円(特定扶養) | 変更なし | ±0 |
施行時期
- 所得税: 平成23年分から適用
- 個人住民税: 平成24年度分から適用
改正前後の扶養控除体系(所得税)
改正前: 改正後:
0-15歳: 38万円(年少扶養) → 0円(廃止)
16-18歳: 63万円(特定扶養) → 38万円(一般扶養に格下げ)
19-22歳: 63万円(特定扶養) → 63万円(据え置き)
23-69歳: 38万円(一般扶養) → 38万円(据え置き)
70歳〜: 48万円(老人扶養) → 48万円(据え置き)
同居老親: 58万円 → 58万円(据え置き)増減収見込額
| 改正事項 | 平年度 |
|---|---|
| 年少扶養親族に係る扶養控除の廃止 | +5,185億円 |
| 特定扶養親族に係る扶養控除の見直し | +957億円 |
| 合計 | +6,142億円 |
扶養控除の見直しは平年度ベースで約6,100億円の増収(国民の負担増)という大規模な改正であった。
出典
- 財務省「平成22年度税制改正」パンフレット(PDF)