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控除

概要

日本の所得税法に定められた所得控除は全16種類。 このうち年末調整で申告可能なのは13種類、残り3種類は確定申告が必要。 年末調整ではこれに加えて、所得金額調整控除(所得金額の調整)と住宅借入金等特別控除(税額控除)も処理する。

所得控除の分類

年末調整で扱う13種類の所得控除は、人的控除(Exemption)物的控除(Deduction) の2つに大別される。

  • 人的控除(9種類): 本人・家族の属性(身分・年齢・所得・障害の有無等)に基づく控除。控除額は法定の定額です。
  • 物的控除(4種類): 本人が実際に支払った保険料・掛金の額に基づく控除。控除額は支出の実額から計算されます。

所得控除以外の控除・調整

年末調整では所得控除に加えて、以下の2つも処理する。

所得金額調整控除: 所得控除ではなく、給与所得の計算上の調整。給与収入が一定額を超え、かつ特定の要件(23歳未満の扶養親族・特別障害者等)を満たす場合に適用。

住宅借入金等特別控除: 所得控除ではなく税額控除。住宅ローンの年末残高に基づき、算出所得税額から直接差し引く。2年目以降が年末調整の対象。


所得控除の適用順序

所得控除の合計額を課税給与所得金額の計算で差し引く際、所得控除間に法定の適用順序はない

所得税法上、課税所得金額は「合計所得金額 − 所得控除の合計額」として計算される(所得税法72〜86条で各控除を定義し、第89条で合計額を一括控除)。個々の控除を順番に差し引くのではなく、全控除の合計額をまとめて1回で差し引く

したがって:

  • 控除の計算順序によって税額が変わることはない
  • 各控除は独立に計算でき、並列処理も可能
  • 所得控除の合計額が課税所得を超える場合(控除しきれない場合)、課税所得は0円となる。どの控除が「使い切れなかった」かという区別は生じない

注意: これは「所得控除」の話であり、「税額控除」(住宅借入金等特別控除)は別のステップで処理される。所得控除→税額控除という 二段階構造 には明確な順序がある。

年税額計算 のステップ⑤〜⑧を参照


確定申告が必要な所得控除

以下の3種類は年末調整では処理しない。

控除名確定申告が必要な理由
雑損控除災害・盗難等の損失額の算定が複雑で個別判断が必要
医療費控除年間の医療費集計が必要で、領収書等の確認が不可欠
寄附金控除寄附先の適格性確認が必要(ふるさと納税ワンストップ特例は別制度)

給与所得控除・公的年金等控除について

「給与所得控除」「公的年金等控除」は名称に「控除」を含むが、所得控除とは異なる概念である。 収入金額から所得金額を算出するための概算経費であり、所得控除よりも前段の処理にあたる。

給与所得 / 雑所得 を参照